さて、今月はどのようなお話でしょうか
MC: 担当D:サッキ
配信日:毎月1回
- 相生古こぼれ話第84回「気象の俗信(ぞくしん)と俚諺(りげん)」 2021年7月17日
現代のようにネットもないテレビもない時代、人々の経験を「言い伝え」や「ことわざ」に置き換え、生活の知恵として言い伝えられてきました。科学的根拠と言えば「?」かもしれませんが、なかなかつじつまが合っていてとても面白いと思います。相生で言われてきたお天気の俗信と俚諺。いったいどんなものがあったのでしょうか。。
~Sakki談~
『二八(にっぱち)月は風が吹く』『奈良のお水取りがすまぬと春が来ない』『三寒四温』『暑さ寒さも彼岸まで』『月に傘をかぶったら雨降り月』『寒さひだるさ苗代時』等々。。生活に溶け込んだ諺はたくさんある。
ネットも無ければ天気予報もない時代人々は生活の経験からたくさんの事を言葉に乗せて伝えてきた。インターネットで10分後の天気が分かる昨今、こういうことが聞かれなくなったのは残念。消えて行くんでしょうね・・
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相生いにしえこぼれ話第84回「気象の俗信(ぞくしん)と俚諺(りげん)」
『二八(にっぱち)月は風が吹く』2月は冬の季節風、8月は台風の襲来月。
2月下旬の太子祭りの前後に吹く風を『太子嵐』と言い、風花(かざばな)が舞い、思わず「おお寒む」と首をすくめさせる。12月14日の義士祭も同様に雪がちらつくことが多く「冷えてきたなあ」の会話の後は『大石さんやもん』と寒さの代名詞として口からでる。
北風と南風で上空で押しくら饅頭をしだすと『三寒四温』。一雨ごとに暖かさを増し、芽吹いて『奈良のお水取りがすまぬと春が来ない』と言われる春浅い季節から『暑さ寒さも彼岸まで』となり「彼岸過ぎてもさむいなあ」と挨拶される。
『春の空と男心』と言われだす頃ともなれば、『春宵(しゅんしょう)一刻値千金』、寒からず暑からぬ春の夜は、酒を飲むにも詩を作るにもはたまた友と語るにも好適の季節となる。
代掻きが始まり、田植えの準備が始まれば、『寒さひだるさ苗代時(のしろどき)』と言われる通り、なぜかこの頃になると肌寒い日があるが、子供らは寒いときについたあられやかき餅などを野遊びの友として晩春の日長のひと時を過ごす。
美しい朧月夜(おぼろづきよ)も『月に傘をかぶったら雨降り月』となり、アマガエルが泣き出せば梅雨が来て『梅雨寒(つゆざむ)』という言葉も聞かれ、雨にぬれる紫陽花の風情にうっとうしさをしばし忘れ『よだちが鳴ったら梅雨があける』といって夏空を待つ。
『夏の朝曇り日照りのもと』と天気が良くなり、入道雲が現れ、空は掻き曇り『馬の背を越さぬ』と言われるにわか雨のあとは『夕立三日』となる。
『朝虹は雨、夕虹は晴れ』、『入り日良ければ明日は天気』『秋の夕焼 鎌を研げ』『秋の朝照隣へ行くな』『秋の日は釣瓶(つるべ)落とし』『深い霧の日上天気』『大雪は豊作の兆し』等々
『くもり八専(はっせん)照日なし』。陰暦で壬子(みずのえね)から癸亥(みずのとい)までの12日間の内、丑(うし)・辰(たつ)・午(うま)・戌(いぬ)を除く八日間のことで、1年に6度あるが、雨が多いといい伝えられ、嫁どり・造作などを避けてきた。
科学の発達により地球を取り巻く自然現象も変化し、このような言葉も笑い飛ばされ、戯言(ざれごと)となって消えていくことでしょう。
(相生らじお「古こぼれ話」は見えるらじおを目指しています)
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