相生古こぼれ話115「チンダイ・モウショ」

相生古こぼれ話 第115回「チンダイ・モウショ」
この番組は、地名の謂われや建造物、人物などの相生市内の歴史をお伝えする番組です。
さて、今月はどのようなお話でしょうか

ではお聞きください

相生いにしえこぼれ話 第115回 「チンダイ・モウショ」

「チンダイ・モウショ」と言っても何のことだかわからないだろうが、大正も末期の頃に子供たちの間で流行った遊びの一つである。多分、正確には「鎮台(ちんだい)モーション」というのだろう。

当時は、兵隊さんのことを言うのに鎮台さんと言う言葉が残っていて、そう呼んでも違和感はなかった。その頃でも、兵隊さんと言えば、だいたい下士官以下の兵士のことを指していたのだが、鎮台さんと言うと、大将閣下から一兵卒までを包括したニュアンスがあったように思う。それにしても、子供の遊びに「モーション」などとハイカラぶって英語を採り入れているなど、なかなか面白いものである。

モーションとは運動とか動作のことであるが、子供の遊びを「兵隊ごっこ」ではなく、「チンダイ・モーション」と呼んだあたりに、大正という時代の風潮がよくわかる。
私共は、「チンダイ・モーション」を縮めて「チンダイ・モウショ」と言っていたが、それは、「鬼ごっこ」と「かくれんぼ」を運動によって結び付けたような遊びであった。数人の者が二手に分かれ、それぞれに、大将・中将(ちゅうじょう)・少将(しょうしょう)と間者(かんじゃ)となり、相手方の大将をやっつけると勝ちになるゲームである。
ルールと言っても簡単なもので、階級の上位の者が下位の者にタッチすると、タッチされた者は戦士ということになる。

大将に勝てるのは間者だけで、ただ、間者はどの階級にタッチされても戦死になる。だから、大将になると、相手方の間者をやっつけてもらわねばならないので、相手方の大将から味方の中将・少将を守らなければならなかった。味方同士が連携して、味方の間者が相手の大将をやっつけてくれればこのゲームの勝ちとなる。
大将には、それが当然であるかのようにガキ大将がなり、味方の者にそれぞれ階級を与えた。みなは間者に選ばれることを望んだものであった。
子供たちはこうした他愛もない遊びの中で、お互いの団結、協力心を養い、体を鍛えていったのであった。
その中でも、遊びの技(わざ)に長けたものがボスとして存在し、良くも悪くもタテ型の構造の中、それなりに学ぶことも多かったように思う。

今回は江見錬太郎著「ふるさと想い出の記」より引用しました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 相生らじお より:

    三木様、いつもお聞きいただきありがとうございます。
    今後も相生の文化をお伝えできればと思います。
    よろしくお願いします。

  2. 三木元秀 より:

    ありがとうございます。
    昔、家に置いてあった、ふるさと思い出の記(江見錬太郎さん)の本を、読みふけった思い出が有ります。温故知新と申しますか、過去は現在と、そして未来への出発点でもあると思います。自分達の、親世代を含む文化の出発点を再現してくださるご配慮と、ご貢献に、心から感謝いたします。