相生いにしえこぼれ話 第118回「相生(アイオイ)訛り」

相生いにしえこぼれ話 第118回 「相生(アイオイ)訛り」

この番組は、地名の謂われや建造物、人物などの相生市内の歴史をお伝えする番組です。
さて、今月はどのようなお話でしょうか

ではお聞きください

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相生いにしえこぼれ話 第118回 「相生(アイオイ)訛り」

「相生」は、正しくは「アイオイ」という呼び方であるが、子供の頃、どちらかと言えば「アイヨイ」と訛って呼んでいたように思う。その訛りは年を取った今でも抜けないらしく、「アイオイ」と言っているつもりであっても、「アイヨイ」と言っているような気がする。

それでも、結構「アイヨイ」で通用してきたし、誰からも訂正されたり不思議に思って質問されたりしたことはなかった。ところが、若い世代の人たちは明瞭に「アイオイ」と発音している。

私は別に「アイオイ」と発音できないわけではないが、「アイヨイ」という呼び名に親しみを持ってしまったように思う。これも相生言葉の一つと言えるのではないだろうか。

相生言葉は、他所(よそ)に行って丸出しでしゃべると、品がないとか、ガラが悪いとか言われたものであった。

もちろん、京都の言葉のように優しい上品なものではないが、「言葉は文化なり」と言われるように、相生言葉は相生文化の所産であり、財産であると思う。「アイヨイ」という呼び方に限りない愛着を覚え、大切にしてゆきたいと思うのである。

ちなみに相生ならではの言葉を拾い上げてみると、「メンメラ」というのがあって、「私共」とか「お互い」という意味で使われてきている。

他には、イチジクのことを「トンガキ」、メダカを「カンメンコ」、路地裏の狭い通路のことを「フタダイゴ」と言っていたことが思い浮かぶ。

まだまだこうした言葉があるに違いない。方言はお国の手形だと言われているし、その土地の文化の土壌だとも言われている。この相生でもこうした方言を発掘してみると、そこに面白い歴史が発見されるかもしれない。

今回は江見錬太郎著「ふるさと想い出の記」より引用しました。

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