相生古こぼれ話第78回「ジャラリン ドッスン秘話」

大人は「はよ寝なジャラリンドッスンがくる」といって幼い子供に言った。怖い怖い「ジャラリンドッスン」っていったいなんでしょうか。。。

~sakki談~

「ジャラリンドッスン」は音を言葉にしたもの。ほんとは怖いものではなく、治安を守る温かい音なのです。

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相生古こぼれ話第78回「ジャラリン ドッスン秘話」 

夜回りさ~ん 日の番さ~ん・・・・という童謡があったが、オオの夜回りさんの代名詞は「ジャラリン ドッスン」と言っていた。

 「はよ寝なジャラリンドッスンが来る」。幼いときは夜更けて大きな音を響かせてまわってくるジャラリンドッスンは、何か恐ろしいものまで連れてくるような恐怖感を覚えたものだが、小学校高学年ともなれば、なんのことはない夜回りする青年団の兄たちが、思い鉄の棒をジャラジャラと引きずりドスンと棒を建てると、棒の先についてた鉄の輪が「ジャラン」と音をたてるためだと知っていた。

 丁度、僧や修行者の持ち歩く錫杖(しゃくじょう)と同じ形であるが、夜回りの杖は木ではなく、鉄でできていた。ジャラジャラと引きずって歩き ドスンとたてると大きくジャランと音をたてることから、オオでは夜回りの別称とあったのである。

 そもそもこの夜回りが設立されたのは大正10年。自警協会が発足し、輪番制で二人又は三人一組で各地区の夜景にあたっていた。

 一坪余りの小さな番小屋を休息場として、一晩に1回あるいは2回まわっていた。「ジャラリンドッスン」たまには「ジャラジャラ」とひきずって横着を決め込んだり、南所の観音像や荒神社付近、北所では墓地の山辺などはあまり気味のいいところではなかった。

 そのような場所で女の人にあうと一瞬ぞーっとしたとか。人気のない山のところで赤子の鳴き声の様なものが聞こえてきて少々不気味だった。

フタダイゴの狭い道では「やかましい」と怒鳴られて、棒を担いで通った。寝苦しい夜には昔のこととてユーモラスな寝顔を拝見したり、寒い夜はテント掛けのうどん店でごちそうになったり、現在の不夜城のような夜景からは想像もできない夜警エピソードである。

素晴らしい若人たちの尊い奉仕のおかげで、町人は安らかな眠りに着くことができた。

懐かしいジャラリンドッスン夜話である。

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